第10回犬山学サロン「犬山の材木商 神戸家のネットワーク」を開催しました | 名古屋経済大学 新着情報

第10回犬山学サロン「犬山の材木商 神戸家のネットワーク」を開催しました

2020年1月7日(火)

犬山学研究センターでは、林順子・南山大学経済学部教授を講師にお迎えして、
第10回犬山学サロン「犬山の材木商 神戸家のネットワーク」を開催しました。

犬山神戸家は、江戸時代前半に材木商として繁栄した代表的な犬山商人として知られています。
神戸家は織田信長配下で犬山を拠点とする地侍でしたが、やがて材木商を開始して犬山湊の湊問屋役を任されました。

江戸時代初期の城・城下町・寺社の建設ラッシュによる材木需要が増大する中で、木曽・飛騨の材木の仕出しを請負って大きな利益を挙げ、流通拠点の名古屋と江戸に分家を置くほどに発展しました。
しかし、17世紀後半に材木の減少によって尾張藩の木曽山林政改革や飛騨山の幕府直轄化がなされると、事業の多角化を模索するようになり、18世紀には材木商を続けることが困難となって、やがて新田地主化していきました。

林先生からは、犬山市史の編纂過程で神戸家の史料を調査した際に、名古屋神戸家の資料群は国文学研究資料館に保管されているものの、犬山神戸本家の史料群がほとんど残っていなかったために苦労されたことや、江戸時代後半に神戸家に替わって登場した知多の新興木材商人が現在に至るまで木材会社として存続していることなど、興味深いお話しをご紹介頂きました。

当日は約40名の聴講者が参加し、林先生のご講演に聞き入りました。

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